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サグレラス

「レコードで音楽を聴く」にチャレンジする前に、「ハイレゾ」をiPhoneで聴き始めてみたミオンミュージックスクールのギター講師、黒沼です。
ビル・エバンスの空気感、最高です!

この記事は、クラシックギター初心者の方のレパートリーを充実させるためのコーナーです!
作曲者や楽曲のエピソード、基本的な奏法などを解説していきますので、ぜひこの楽曲を好きなってもらって!、演奏することが楽しくなってもらって、あなたのレパートリーにしていただければ幸いです。

 

【マリア・ルイサ/J.S.サグレラス】どこか日本的な旋律とリズムの表情が特徴!

 

 

このクラシックギターレパートリーシリーズの第一弾は、Julio Salvador Sagreras(フリオ・サルバドル・サグレラス)作曲の「Maria Luisa(マリア・ルイサ)」をご紹介します。
私たち日本人の感性に似た哀愁漂う旋律は、一度聴くだけで覚えてしまうほどのインパクトがあります。ということは、普段はクラシックギターと縁がない人でも、この楽曲を聴くと「あ、良い曲だな!」と感じてもらえるんです。ほら、この楽曲を自分のクラシックギターレパートリーにしてみたくなったでしょ?(笑)今日から頑張って練習して、ぜひレパートリーに加えてみてください!

 

脱!初心者の方に「マリアルイサ」をオススメする3つの理由

① 左手ハイポジションで弾く(熟練者の雰囲気!)ことがあったとしても、開放弦を利用してスムーズに左手を移動できるため、とても弾きやすい。

② 低音のほとんどが開放弦で弾きやすい、右手によるミュートの練習がしやすい。

③ 旋律と伴奏がはっきり分かれているため、旋律の表情や物語の展開がはっきりしているため、曲想(楽曲の表現)が理解しやすく、表現しやすい。

 

 

作曲者 J.S.サグレラス(Julio Salvador Sagreras)について

 

J.S.サグレラス(1879年〜1942年)は、アルゼンチンの作曲家兼ギタリストです。6歳からギタリストである父親にギターの手ほどきを受け、12歳にはピアノと作曲を学んでいました。その後、20歳にはアカデミア・デ・バラスアルテスのギター教授となり、26歳で自身の学校を設立し、たくさんのギター愛好家を育てていました。同時代のギター音楽家としては、スペインのフランシス・タレガをはじめ、ミゲル・リヨベート、エミリオ・プジョール、ダニエル・フォルテアなど活躍していた頃になります。

 

マリア・ルイサ(Maria Luisa)について

 

「Tres Piezas Faciles」という3作品からなる楽曲のうちの1曲が、この「マリア・ルイサ」です。まるで妹の可愛がっていたアルゼンチン出身の天才ギター少女「マリア・ルイサ・アニード」のために捧げた楽曲です。この少女は、タレガの弟子であるリョベートからギターを学び、リョベートとアニードによるデュオ演奏を録音に残している。(リョベートは、クラシックギターを現代と同じように、電気を使ってマイク録音を行った第一人者。)そんな天才少女ギタリスト、アニードは、その後も驚異的な成長を遂げ、プレスティ、ワルカーと並び、「三大ギター女史」として活躍していきました。

 

マリア・ルイサを演奏するためのチェックポイント

この曲についてのイメージが持てたところで、次はいよいよ演奏方法について解説していきます。
しかし、この記事では、「何小節目の何拍目を〜」というように細かく解説はしていきません。演奏をする上で必要な技術 ポイントを理解した上で、自ら楽譜を読み、研究・試行錯誤していっていただきたいと思っています。そこで生まれた発見やひらめきが、あなたにとっての「クラシックギターをもっと楽しくする!」鍵となってもらえればと願っています。

 

 

楽曲の要であるリズムを理解しよう!

 

楽譜の先頭を見てみると、「Mazurka(マズルカ)」と書かれていますが、これは楽曲のリズムを表現する言葉です。
マズルカとは、ポーランドの庶民的な舞曲の一つで、快活な3/4拍子のリズムを表します。一般的に3拍子のワルツは、「1拍目を強め」表現しますが、このマズルカは、「2拍目、もしくは3拍目を強め」にすることで、「快活なリズム」を表現をしていきます。
マズルカが庶民的な舞曲に対し、宮廷で親しまれた舞曲「ポロネーズ」は、荘重でゆるやかな3/4のリズムになります。

 

演奏技術・表現についてのチェックポイント

<左手>

・ポジション移動をするときは、指よりも先に「目」を移動先に移すこと。
・4指は、フレーズ最後のキメとなる場合が多く、丁寧に押弦して外さないようにする。
・スタッカートで音を切ると同時に、次のポジションに移動させておく。
・左指で余計な音のミュートする。
・難しいコードの押弦は、音を出さずに左手のみで練習し、フォームを指に覚えさせることに集中する。

 

<右手>

・低音弦は、適切な音の長さを知り、p指による様々なミュート技術を習得する。
・音量の増減や音質の変化に合わせて、弾く位置を変えたり、タッチの深さを調整する。
・主旋律は分かりやすく主張させ、伴奏はダイナミクスコントロールに気を使い、音楽全体の表現をより明確にする。
・和音の場合も、主旋律を意識する。
・p指は、音符の長さ分、音を伸ばし続ける意識が必要。そのためにはアポヤンド奏法で習得する。

 

<総合>

・最初は、体を動かしてリズムを表現する。その後、無駄な動きはなくしていく。
・3拍目のリズムは跳ね上げて、次の1拍目に向かっていく。
・最も盛り上がる部分を把握し、この頂点を中心に音楽全体の表現を組み立てていく。
・上昇していく旋律に合わせてクレッシェンド。デクレッシェンドしてフレーズを丁寧にまとめる。
・クレッシェンドしたフレーズのピークは、ビブラートをかけて響かせる。
・終止フレーズは、きちんと終わらせる意識が必要。
・フレーズは、最初からゴール地点を意識しながら弾いていく。

 

まずは音取りをしていくわけですが、最初から最後まで一通り演奏しようとしなくて大丈夫です!フレーズごとに、1小節ごとに、2拍ずつなど、細かく区切って練習していきましょう。確実に弾けるようになってから、次に進むぐらいの気持ちで取り組んでいった方がいいと思います。そして、とにかくゆっくり弾くことも大切です!この「ゆっくり」というテーマだけでも記事が書けてしまうほどですが、これはまた改めて書くことにしましょう!
一度演奏できるようになったところからがスタート地点です!様々な角度から演奏を見つめ直して、より気持ちよく演奏できるよう頑張ってみてください!

 

 


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