こんにちは!ミオンミュージックスクール ギター講師の黒沼です。
芸術の秋は、クラシックギターならではの温かな音色を楽しむのにピッタリの季節ですね!
弾ける弾けないじゃなくて、純粋に音を楽しむ心も大切なんです!
さて、今日は先日開催された弦楽器フェアに行ってきたので、その様子について書いていきます。
記念すべき第60回!2017弦楽器フェアに行ってきました!
「弦楽器フェア」とはどんなイベントかといいますと、バイオリンやビオラ、チェロ、そしてクラシックギターやリュートが一同に集まり、「見て・聴いて・弾いて楽しめる」弦楽器愛好家にとって、とっても贅沢な展示イベントなんです!
しかも、今年は記念すべき第60回目ということで、日本のクラシックギター製作の歴史についても展示されており、ひと通り回ればクラシックギターへの愛がたっぷり充電されて、また新鮮な気持ちでクラシックギターに向き合うことができるようになりますよ!
弦楽器フェア会場となる科学技術館へのアクセス
弦楽器フェアが開催される会場は、毎年この科学技術館です。
東京メトロ 九段下駅 「2番出口」から出てください。(九段下駅には、出口が8番まであります。)
便利な情報!
・東西線を利用する場合は、2,3号車を利用すると便利!
・半蔵門線を利用する場合は、9号車を利用すると便利!
・都営新宿線を利用する場合は、8両編成で4号車、10両編成で5号車を利用すると便利!
2番出口から地上に上がったら、進行方向はそのまま、なだらかな坂を1分ほど歩きます。
北の丸公園の案内板が見えますので、手前を左に曲がってください。
田安門、櫓門をくぐります。
道なりに歩くと左手に武道館が見えてきます。そのまま武道館を左手にしながら道なりに歩きます。
緑に囲まれた道を5分ほど歩くと、左手に「科学技術館」の入口に到着します。
いよいよ弦楽器フェアへ入場します!まずは受付でチケットの手配をしましょう。
楽器やケースは持ち込めませんので、持っている方はクロークへ預けて入場することになります。
会場内に入ると、まずはバイオリンやビオラ、チェロコーナーが迎えてくれます。
楽器製作のための木材も多数海外から輸入され展示されています。「この目は真っ直ぐ詰まってて良さそう!」などと木目を見るのも結構楽しいんですよ!
ギターコーナーにはないのですが、弦を試せるコーナーはいいですね!ギターコーナーにも作ってあげればいいのに!レビューを見るより、自分の耳で確かめる!コレ最強です。
職人さんがブースで駒削ってたりします。楽器はとても繊細ですから、微調整が大切です。
様々な楽器を自由に試奏することができます。正面を向いて弾いてる人は魅せようとしてるのではなく、音の反響を気にしてのことなんでしょうね。っていうか、バイオリンコーナー試奏している人の演奏レベルが高いことに驚き!
休憩コーナーもあります。ちょっと殺風景なので、読み物や展示パネルなどで工夫するといいのではと。
バイオリンコーナーをひと通り回った先に、ギターコーナーを発見!こちらもたくさんの人で賑わっています。
楽器店さんのブースでは海外製のギターを中心に展示されており、店員さん立ち会いのもと試奏することができます。弦やアクセサリー、ケースなども展示されています。
こんなに可愛いギターケースもあったりします!コレが軽量ケースだったら迷わず買っちゃうのになぁ。
ギターコーナーにも木材が多数置いてありました。楽器用の木材は何十年も自然乾燥させて、木材を落ち着かせてから製作に入っていきます。
楽器店員さんによるギタークリニックもあります。楽器メンテナンスに関するノウハウをゲットできます。
そして、ギターコーナーの目玉、国内ギター製作家が魂を込めて作り上げたギターたちが多数展示されており、自由に試奏することができます。
個人のギター製作家さん
阿部康幸、井内耕二、黒澤哲郎、小林一二、福手栄二、丸山利仁、井上保入、込山修一、矢木聡明、アラン オルフェ、禰寝碧海、今井勇一、岩井孝夫、櫻井正毅、清水優一、山本篤史、横尾俊佑、江崎秀行、大西達朗、尾野薫、栗山大輔、寺町誠、長崎祐一、中山修、摘霞幸次郎、横尾真人 ※敬称略 順不同
年に一度のイベントのため混雑する場合も多いのですが、じっくり試奏したかったら「コンサートの時間」がチャンスです!今年も村治奏一氏や新井伴典氏が演奏していましたので、やはりみんなその演奏聴きにホールへ移動するのです。そのコンサートの時間には、試奏コーナーがガラガラになるので、すべての楽器をたっぷり試奏することができますよ!
また、製作家の方たちも会場にいるので、試奏して気に入った楽器があったら、その楽器を作ったときのエピソード、こだわりや新しい試みなど、いろいろ話をしてくれるかもしれませんよ!実はこの弦楽器フェア、製作家の方たちにとっても「製作家同士で情報が交換できる貴重な場」になっているようです。
そして、今回は第60回開催記念ということで、「日本のギター製作家の歴史」というコーナーも展示されていました。
貴重な宮本金八氏のギターがあったり、日本のギター製作に関する資料がたくさん展示されています。
・日本にギターが持ち込まれたのは、江戸時代末期のあの黒船のペリー?!
・そして、同時期、ヨーロッパではトーレスがクラシックギターの母体を完成?!
・アメリカでは、アコギで有名なマーチンがシュタウファーの弟子入りし、鉄弦ギターを開発?!
・ラミレス三世がギタリスト大沢一仁氏に「楽器を売ってもいいが、河野賢氏には売らないよ、楽器を解体されちゃうからね。」と言っていたほど河野賢氏はギター製作熱だった!
・フランスの銘工ブーシェは、良い音楽をたくさん聴いて音づくりの基本をデッサンすること!
うわっ?!上でも書いてるように、ラミレスと河野賢のギターが真っ二つになってる?!
こんなにしっかりギターの中身を見る機会はないので、私も小一時間ずっと眺めてました。上の写真ははラミレスです。
こちらが河野賢のギター構造です。ラミレスはとてもシンプルで、河野は「和」を感じました。使ってる木材からかな?
ということで、クラシックギターを弾いてる人にとっては、とても良い経験となるイベントではないでしょうか。普段も楽器屋さんで試奏はできますが、購入意思があることをお店の人に伝えないと、何十本もの楽器を一気に試奏することはなかなかできませんからね。とにかく気軽にギターを比較したい方にはオススメのイベントですね!(欲を言えば、試奏する会場がもうちょっと響くところだといいなぁ。)
日本のギター製作家の皆様には、これからも素敵なギターを作ってもらって、クラシックギター界を盛り上げていってもらえればと思います!
そして、私たちも「ギター教室」という分野から、クラシックギター界を盛り上げていけてまいります!!